抄録
米国で2006年に改正されたアメリカ連邦民事訴訟規則(FRCP)に規定されるEディスカバリーは、製造物責任訴訟や知財訴訟などで実施されることが多い。本稿では、Eディスカバリーが実施された判例の分析をもとに、企業内部で発生するワークフローおよびEディスカバリー対応のために企業が日々行うべき管理について検討した。ディスカバリー違反による厳格な罰則を避けるためには、訴訟ホールド以降の証拠の廃棄など、悪意によって証拠を破棄または改竄等を行ったと判断されないようにしなければならない。米国企業とビジネスをしている多くの日本企業にとって、企業内のデジタル文書管理の在り方が重要な課題となってきている。