クラウドコンピューティングは、単なるデータの保存だけでなく、企業情報システムの処理基盤としても重要なものとなりつつある。しかし、この環境でトランザクション処理を行う場合、BASEというクラウド特有のデータ整合性概念を考慮する必要がある。本研究は、モデリングとシミュレーションによりシステム設計段階で、BASEによるデータ整合性への影響を検証・評価し、クラウドでのトランザクション処理の信頼性向上を目指している。モデリングおよびシミュレーションには時間オートマトンに基づく検証ツールのUPPAALを用い、時相論理式の一種であるTCTLによりデータ整合性の検証・評価を行う。