抄録
本研究では、セグメント構造に着目した学術論文の包括的自動要約において、オントロジーを用いて要約の精度を向上させる新たな手法を検討する。形態素の表層的情報を中心とした解析を行う従来の自動要約手法では、語彙の意味や語彙間の意味的関係を把握できない。オントロジーを用いてそれらを把握すれば、より的確な重要文選択が可能になると期待できる。具体的には、各セグメントにオントロジー的特徴を付加し、セグメントに適した重要文選択精度の向上を図る。また、語彙間の意味的繋がりを考慮し、各セグメントから抽出する文を補正することで要約全体の質の向上を図る。