抄録
企業組織が誕生し成長していくためには、いくつかの段階を経ていくこと、その際、それぞれの段階で異なる危機を乗り越えて新たな仕組みを作ることが求められるということは、自明のこととなっている。本研究では、これまで研究対象として取り上げられることの少なかったオーケストラ組織を取り上げ、それが誕生してから自主運営型楽団として機能するに至るまでのプロセスに着目し、どのような危機をどのような仕組みを整えて、乗り越えてきたかを明らかにすることを目的としている。ヒアリング調査から、オーケストラ組織においても先行研究に従って段階を経た発展がみられること、その際、危機を乗り越えるための特徴的な仕組みが現れることが明らかとなった。