抄録
情報システムは人々のコミュニケーションが為されるメディア環境で認識される情報刺激の形式的な因果律といえる。同時に情報システムは人々の文化的行動を主導し、メディア文化の核として社会的に位置付けられると考えられる。情報システム研究においては、いくつかの特異なメディア文化形成例が取り上げられ議論されてきたが、あくまでも事例報告に過ぎず、それが主導された社会的状況の分析やその知見をデザイン方法論に生かす取り組みはなされてない。本報告では、情報システムをメディア環境で一定期間継続的に形成される概念的な情報刺激の因果律と捉え、メディア文化に先導されつつ人々の文化的行動を主導する実体としてデザインするための方法について議論する。