抄録
シャープは、液晶に強かったが債務超過に陥り鴻海精密工業の出資を仰いだ。鴻海グループ副総裁の戴正呉氏がシャープ社長に2016年8月に就任した。2017年度決算は4年ぶりの黒字になった。シャープ復活に必要な要因は何だったのか?一つは、シャープと鴻海の「 国際垂直分業 」と「共創」への期待である。他の要因は、復活を主導した載社長のリーダーシップと考えられる。載社長からの依頼で2018年6月に面談した。また社長就任時からの「社長メッセージ」も入手した。これら一次情報の分析から、創業者早川徳次氏を尊敬し「誠意と創意」等の「共通の価値観」で社員との「信頼」を醸成した、載社長の鴻海流「日本型リーダーシップ」が復活の鍵と判った。