抄録
従来の需要関数は、コブ・ダグラス型効?関数を予算制約式のもとで最?化するという条件を解いて得られる。仲澤(2014)は、プロスペクト理論に基づいて効?関数中の消費量を参照点との?または差で置き換えるモデルを構築した。風間・喜多村(2018)で構築された、参照点を2つ設ける拡張モデルのうち最適消費量が代数的に解けなかったものについて、本論文では、数値計算ソフトウェアを用いて効用関数の曲面を描画し、プロスペクト理論的性質を確認する。また、参照点が1つの場合と2つの場合について、2者2財での最適消費量の経時変化を数値計算により求める。両者を比較することにより、参照点を2つもつ効用関数の特徴を明らかにする。