抄録
本研究の目的は,家族介護に関する実践と研究に資するために,家族介護経験のない成人子が実親の介護に抱く意識を測定する尺度を開発し,その妥当性および信頼性を検討することである.文献調査に基づき,実親介護意識尺度原案を作成し,専門家の助言と予備調査から内容的・表面的妥当性を確認した.次に,実親を介護する可能性がある20歳以上の男女2,000人を対象にウェブ調査を実施し,家族介護経験のない1,015名を分析対象とした.探索的および確認的因子分析の結果,「愛情・義務感」「世間体」「自身の介護への期待」の3因子構造が確認され,モデルの適合度はいずれも良好であった.構成概念妥当性の検証として行った仮説検定では16個のうち11個の仮説が支持された.各下位尺度の平均分散抽出量は.50以上,Cronbachのα係数は.813~.959であり,内的一貫性も確認された.以上より,開発した実親介護意識尺度は,一定の妥当性・信頼性を有することが確認された.