日本社会福祉マネジメント学会誌
Online ISSN : 2436-4061
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  • 藤後 悦子, 石田 祥代, 野澤 純子
    2024 年4 巻 p. 4-16
    発行日: 2024/03/25
    公開日: 2024/04/10
    ジャーナル オープンアクセス
    近年日本では, 外国人の数が増加しており, これは保育現場における外国人幼児の増加を意味する.本研究では, 保育現場における外国籍の特別ニーズ児への対応の課題と工夫について明らかにすることを目的とする. 都市型分散地域に勤める首都圏と九州北部の保育所職員6名を対象にインタビュー調査を実施し, M-GTAにより分析した. その結果, 118のエピソードが抽出され, 大カテゴリー8つと32の小カテゴリーと53の概念が生成された. 保育現場が直面する課題には, 発達課題, 情緒的問題, 家庭の問題に対して複合的な支援が必要であった. 子どもに対しては遊びを中心とした支援が有効であったが, 保護者に対しては通訳や多言語資料,地域の専門機関との連携などが課題として挙がった.
  • 清水 憲志
    2024 年4 巻 p. 17-31
    発行日: 2024/03/25
    公開日: 2024/04/10
    ジャーナル オープンアクセス
    本研究ではおやじの会に概ね10年以上関わっている人を対象に調査を行った. おやじの会に関わるに至った動機や10年以上参加している理由に着目することで, 子ども達や地域の“子育て環境”として, 父親達がおやじの会に関わった理由や, 10年以上参加している理由等活動を行う中での意識の変容を明らかにした. そうすることで, 子育て環境としてのおやじの会の可能性を言及した.  TEMを用いた分析をした結果, 5つの時期区分に分けられた. 第一期【父親の仲間渇望期】,第二期【おやじ仲間模索期】, 第三期【おやじの背中魅せ期】, 第四期【家族交流期】, 第五期【おやじの地域溶け込み期】である. 結果, 身近な地域を拠点としていることで, 自分の“居場所”ができる. そこに“仲間”と“役割”があることで, 父親を含め, おやじの会に関わる人々は, 何年にも渡って関わり続けていた.さらに, 父親である自分だけではなく“家族”で関われる場所だからこそ継続していた. おやじの会が紡いだ, 仲間との関係性は, 年数と共に関係性はより味わい深いものに醸成され, その関係性に子育て環境としてのおやじの会の意義があると考えられる.
  • 森田 裕之, 大野 倫由
    2024 年4 巻 p. 32-40
    発行日: 2024/03/25
    公開日: 2024/04/10
    ジャーナル オープンアクセス
    日本の介護産業の労働力不足は, 今後ますます深刻化することが予想されており, 介護分野における生産性の向上が最重要課題となっている. この課題に対しスタンディングマシーンを使用した研究において, 複数台を同時に使用することで, 量的な効率化を行えることが明らかとなっている. しかし, 先行研究では前述の研究以外に, スタンディングマシーンの使用が生産性向上につながるという研究は見られない. 本研究の対象施設であるA介護老人福祉施設では, 移乗手段としてスタンディングマシーンを使用していたが, 移乗に時間がかかるという理由で, 介護職員から不満が出ていた. 試行錯誤の結果, 従来のスタンディングマシーンの使用目的である移乗に, 移動と座位保持を加えることで, スタンディングマシーンのスリングの着脱回数を3回から1回に減少させることが可能となった. 本研究では, このスタンディングマシーンの新しい使用法により, 介助手順の省略に成功した事例を報告する. その中で, 従来のスタンディングマシーンの使用法と, 新しいスタンディングマシーンの使用法を比較し, 手順省略の具体的な内容を明らかにする. また, 手順省略以外に, どのような生産性向上がなされているかを考察する. 本研究はスタンディングマシーンの普及と介護分野における生産性向上に寄与すると考える.
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