看護教育学研究
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訪問看護師のロールモデル行動に関する研究
横山 京子舟島 なをみ
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2010 年 19 巻 1 号 p. 11-20

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抄録

研究目的は、訪問看護師が知覚する訪問看護師のロールモデル行動を解明し、その特徴を考察することである。全国の訪問看護ステーションに勤務する訪問看護師683名を対象とし、郵送法による調査を行った。測定用具には、ロールモデルの有無とロールモデル行動を問う質問紙及び対象特性を問う質問紙を用いた。その結果、376名(回収率58.9%)より質問紙を回収できた。ロールモデル行動を問う自由回答式質問に回答した151名の記述をBerelson,B.の方法論を参考にした看護教育学における内容分析を用い分析した。内容分析の結果は、【状況に即して冷静・迅速・的確・柔軟に判断し、対応する】【誰に対しても優しく丁寧に接する】【在宅療養者・家族の考えを引き出し、両者の望みに叶った看護を提供する】を含む、訪問看護師が知覚する訪問看護師のロールモデル行動を表す26カテゴリを明らかにした。Scott,W.Aの式に基づき算出したカテゴリへの分類の一致率は、看護学研究者2名ともに79.2%であり、カテゴリが信頼性を確保していることを示した。また、26カテゴリを各々文献と照合して考察した結果は、訪問看護師の26ロールモデル行動が、9つの中核となる特徴をもつことを示唆した。これら9つの特徴は、訪問看護師の望ましい状態を示唆しており、訪問看護師の職業的発達の目標として活用可能である。

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© 2010 日本看護教育学学会
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