看護教育学研究
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【原著】
病院に就業する看護師が展開する学習活動に関する研究
―看護実践の質との関係に焦点を当てて―
髙橋 聡子上國料 美香亀岡 智美
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キーワード: 学習活動, 看護実践の質
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2020 年 29 巻 1 号 p. 39-53

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抄録

 研究目的は、病院に就業する看護師が展開する学習活動と看護実践の質との関係を探索し、看護実践の質向上につながる効果的な学習活動のあり方とその実現に向けた課題を検討することである。
 文献検討に基づき概念枠組みを構築した。測定用具には対象者の人口統計学的特性、学習活動を問う項目、看護実践の質を測定する「看護実践の卓越性自己評価尺度-病棟看護師用-」(舟島ら、2015)から成る調査票を用いた。全国91病院に就業する臨床経験5年以上11年未満の病棟看護師1,177名に調査票を配布し、返送された516部(回収率43.8%)のうち有効回答383部を分析した。
 その結果、〔意図的・計画的に学習機会を確保する〕、〔疑問点や不明点を放置せず根拠に基づき納得できるまで探究する〕、〔日常の看護実践場面に学習機会を見いだし積極的に活用する〕等、5種類の学習活動が看護実践の質に関係していた。
 考察の結果は、これら5種類の学習活動の実現に向け、看護師が質の高い看護実践への責任を自覚し、学習の重要性、根拠に基づく看護実践を価値づけ、行動の基盤としていることが重要であることを示唆した。

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© 2020 日本看護教育学学会
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