我々は、寛解期の大うつ病性障害の人において、統合的復職支援プログラムを行っているが、そのなかのプログラムである街歩き(120拍/分のテンポ)の即時効果について、10人に対して後方視的な対面式アンケート調査をおこなった。ウォーキング直後の効果として、精神活動三要素(気分、思考、意欲/発動性)が有意に改善した(ウィルコクソン符合順位検定p=0.008、0.018、0.012)。三要素の中でも気分の改善が大きく、思考の改善よりも有意に高かった(p=0.028)。
うつ状態の7人に、週に3日の高強度有酸素運動療法(バトミントン)を主としたプログラムを実施した。1か月後にはHAM-D17は、平均14.57から7.42に有意な改善を示した(ウィルコクソン符合順位検定p=0.018)。BDI-IIは、平均22.85から15.42に有意な改善を示した(ウィルコクソン符合順位検定p=0.028)。
軽強度、高強度有酸素運動のそれぞれに、うつ状態に対する治療的効果が示唆された。