スポーツ精神医学
Online ISSN : 2436-1135
Print ISSN : 1349-4929
原著
うつ病復職支援プログラムとしての軽運動と高強度有酸素運動の有用性
田代 哲男吉田 周平田代 佳織
著者情報
ジャーナル オープンアクセス

2013 年 10 巻 p. 62-68

詳細
抄録

我々は、寛解期の大うつ病性障害の人において、統合的復職支援プログラムを行っているが、そのなかのプログラムである街歩き(120拍/分のテンポ)の即時効果について、10人に対して後方視的な対面式アンケート調査をおこなった。ウォーキング直後の効果として、精神活動三要素(気分、思考、意欲/発動性)が有意に改善した(ウィルコクソン符合順位検定p=0.008、0.018、0.012)。三要素の中でも気分の改善が大きく、思考の改善よりも有意に高かった(p=0.028)。

うつ状態の7人に、週に3日の高強度有酸素運動療法(バトミントン)を主としたプログラムを実施した。1か月後にはHAM-D17は、平均14.57から7.42に有意な改善を示した(ウィルコクソン符合順位検定p=0.018)。BDI-IIは、平均22.85から15.42に有意な改善を示した(ウィルコクソン符合順位検定p=0.028)。

軽強度、高強度有酸素運動のそれぞれに、うつ状態に対する治療的効果が示唆された。

著者関連情報
© 2013 日本スポーツ精神医学会
前の記事 次の記事
feedback
Top