本研究の目的は、先行研究におけるイップス症状の定義とアセスメント法を概観し、イップスの新たな操作的定義を提案することであった。本研究の結果から、イップス症状の定義は競技不安およびジストニアの要素と類似しているが、イップス症状の定義やアセスメント法は統一したものが存在しておらず、標準化された介入法の確立の妨げとなっている可能性が示唆された。本研究では、DSM-5の不安症の診断基準を参考に、競技不安とジストニアの要素を含めたイップスの操作的定義案を作成した。今後は、イップスの標準的な操作的定義の作成を目的として、これまで各領域で個別に行われてきた議論を統合し、イップスで苦しむアスリートへの包括的な支援を確立することの必要性が議論された。