2021 年 82 巻 12 号 p. 2313-2317
腹膜透析(peritoneal dialysis:以下PD)関連腹膜炎は,PD患者に生じる重篤な合併症の一つである.PD関連腹膜炎の2例に対して,腹腔鏡下にカテーテル抜去,腹腔洗浄ドレナージを施行した経験を報告する.症例1は,4年前より持続的携行型腹膜透析(continuous ambulatory peritoneal dialysis:以下CAPD)を行っている68歳の男性で,PD関連腹膜炎診断時のPD排液培養で酵母様真菌を検出し,真菌性腹膜炎と診断された.症例2は,3カ月前にCAPDを導入した44歳の男性で,出口部感染に続発するPD関連腹膜炎の診断で抗菌薬治療を5日間行っても,発熱・排液混濁が続き,難治性腹膜炎と診断された.この2症例に,腹腔鏡下にカテーテル抜去,次いで体位変換を行いながら,洗浄液の混濁が無くなるまで腹腔洗浄を行った.術後合併症を認めなかった.早期カテーテル抜去に加え腹腔洗浄ドレナージを行うことで,安全なPD関連腹膜炎の治療に寄与できたと考えている.