2025 年 22 巻 p. 37-46
本研究では、① 競技別にスポーツ関連脳震盪 (sports-related concussion; SRC) の経験率を比較し、② SRCの症状を報告し、③ SRCが精神的健康に与える影響を明らかにすることを目的に、183名の大学生アスリートへのアンケート調査を行った。その結果、① 従来からSRCの経験率が高いとされていたコンタクトスポーツだけでなく、身体接触の頻度が低い競技種目でもSRCが起こる可能性があること、② SRCの症状として「頭痛」、「めまい」、「二重にものが見える」、「吐き気」の頻度が高いことが示された。また、③ 主観的幸福度と注意欠如・多動傾向を統制したうえで、SRCの得点が1点上がるにつれて、K10のカットオフポイントを超える危険が1.24倍に増加することが示された。本研究の結果から、SRCのアセスメントにおいて生物-心理-社会モデルといった枠組みを利用し、メンタルヘルスの視点からもケアしていく必要があることが議論された。