スポーツ精神医学
Online ISSN : 2436-1135
Print ISSN : 1349-4929
原著
精神科デイケアにおけるスポーツプログラムの有用性についての一考察
丸山 絢子佐藤 伸哉堀越 立
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ジャーナル オープンアクセス

2009 年 6 巻 p. 36-39

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抄録

本研究では、デイケアにおけるスポーツプログラムが、利用者の精神症状に及ぼす効果について明らかにすることを目的とし、日本版GHQ30を用いてスポーツ群(21名)と非スポーツ群(8名)の2群間において検査を実施した。第1研究では、スポーツ群と非スポーツ群を比較検討した。その結果、スポーツ群は睡眠障害、不安と気分変調、希死念慮とうつ傾向の3項目において非スポーツ群より軽度であった。またスポーツ群は合計得点も有意に低く、同様の結果が得られた。第2研究では、継続してスポーツプログラムに参加した効果を検討するため、スポーツ群と非スポーツ群を1ヶ月追って検査結果を比較した。第2研究の結果では、スポーツ群の不安と気分変調の項目で有意に改善が確認された。結論として、デイケアという集団の中で継続的にスポーツを取り入れることが、第1研究と第2研究の結果に影響している。このことから、スポーツプログラムはデイケアにおいて有用性があると考えられる。

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© 2009 日本スポーツ精神医学会
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