ポピュラー音楽研究
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愛と殺人を歌うカントリーミュージック
田中 健二
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2006 年 10 巻 p. 80-95

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抄録

アメリカの伝統的カントリーミュージックの歌詞の中には、暴力と死を歌ったものがある。男が女を理由も言わずに惨殺する歌詞がよく見られる。なぜなのか。カントリーミュージックの成立・発展過程を考えれば、アメリカの南部性も考察しなければならないことが分かる。その南部の人達の内面的精神を、いくつかの歌詞を例にとり、本論文では論じていく。そして南部のゴシック性をともなった歌詞は現代カントリーにまで受け継がれているのだろうか。現代アメリカのカントリー歌詞が南部の人達の気質を継承しつつ、時には荒々しい男の描写を好んで歌う実態を検証する。カントリーミュージック歌詞の残忍性と多様性を、その継続性の観点から検証する。

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© 日本ポピュラー音楽学会
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