The Journal of JASTRO
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経会陰的前立腺I-125小線源治療におけるシード線源移動に及ぼす因子の検討
伊丹 純大西 かよ子金村 三樹郎金井 一能光野 譲布施 雅史直井 国治清塚 誠原 竜介岡野 由典簔和田 滋
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2005 年 17 巻 2 号 p. 109-113

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抄録

【目的】 I-125シード線源を用いた前立腺がん経会陰的小線源療法がわが国においても急速に拡大しつつある. シード線源による小線源治療では肺や腹部への線源移動が発生することが知られている. わが国におけるその頻度と発生に関与する因子を解析した.
【対象と方法】 2004年4月から2005年1月までに36症例の前立腺がんに対してI-125シード線源による経会陰的小線源治療が施行された. 全例で相互に連結されていないフリーのI-125シードがMickアプリケータを使用して挿入された. 線源配置は原則としてmodified peripheral loadingに従った. 小線源挿入翌日, 1週間後, 1ヶ月後に正側胸部X線および腹部X線が撮影された.
【結果】 腹部への線源移動は11例 (30.6%), 肺への線源移動は14例 (38.9%), 計20例 (55.6%) に見られた. 挿入された2,508個のシード線源中42個が移動した. ほとんどの線源移動は1ヶ月以内に発生した. プレプランで前立腺外に挿入されるように計画されたシード線源数が, シード線源移動の発生と統計学的に有意に相関した.
【結論】 I-125シード線源を用いた前立腺がん経会陰的小線源療法ではシード線源の移動は決して稀ではない. シード線源移動を確認するためには, 治療1ヶ月後のX線撮影が適している. シード線源移動を減少させるためには, できる限り前立腺外に配置されるシード線源を少なく抑えるとともに, 相互に連結されたシード線源を導入していくことが必要であろう.

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© 2005 日本放射線腫瘍学会
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