The Journal of JASTRO
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術中計画法による前立腺癌 I-125シード治療の経験
─術前計画法との比較─
戸矢 和仁大橋 俊夫萬 篤憲
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2007 年 19 巻 1 号 p. 17-21

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抄録
当院では現在, 限局性前立腺癌に対するI-125 シード治療を術中計画法で施行している. 以前施行していた術前計画法と術中計画法を術後CTでの線量計算結果で比較し, 術中計画法の有用性を評価した. 2003年 9 月から2006年 3 月までにシード治療を施行したT2bまたはそれ以下の限局性前立腺癌患者240人を対象とした. このうち半数の122人を術中計画法で, 残り半数の122人を術前計画法で治療を行った. 術前計画法と術中計画法の患者背景はほぼ同じであった. しかし, 術前の前立腺体積, 1 シード当たりの線源強度, 外套針数, 手術時間において, 両群に有意差があった. 1カ月後CTでの術後線量計算において, 術前計画法では, 前立腺のD90(前立腺体積の90%をカバーしている最小の処方線量)の中央値は155.3 Gy, 前立腺のV100(処方線量100%が照射される前立腺の割合)の中央値は92.1%であった. 一方, 術中計画法では前立腺D90の中央値は169.4 Gy, 前立腺V100の中央値は97.1%であった. 両群には有意差があり(p < 0.01), 術中計画法では前立腺のD90とV100が向上していた. 尿道と直腸の術後線量計算結果は両群ともほぼ同じであった. 術中計画法によるシード治療は, 術前計画法と比較して遜色なく, 有用だった. 今後も治療の安定化を図っていく予定である.
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© 2007 日本放射線腫瘍学会
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