2007 年 19 巻 4 号 p. 259-262
【目的】食道癌に対する加速過分割照射の治療成績を評価する.【対象と方法】1997年~2002年に,加速過分割照射にて加療した I–III期食道癌17症例を対象とした.性別は男性15例,女性 2 例,年齢の中央値は72歳であった.照射は,1 日 2 回,field in field法(大照射野:1.8Gy,小照射野:1.2Gy)にて行い,総照射線量の中央値は66Gy,総治療期間の中央値は35日であった.【結果】 5 年全生存率,原病生存率は,おのおの35%,53%であった.17例中14例にCRが得られ,CR14例中 7 例に再発を認めた.再発部位は,2 例が食道初発部位で,4 例が領域リンパ節,1 例が領域リンパ節と遠隔転移の同時再発であった.急性期有害事象(G3以上)は,食道炎を 2 例に認めた.晩期有害事象は,心嚢水を 1 例,肺臓炎を 1 例に認めた.【結語】加速過分割照射は,標準的化学放射線療法が施行困難な食道癌症例に対する有力な治療選択肢と考える.