2007 年 19 巻 4 号 p. 273-276
【目的】乳房温存療法の整容性評価のなかで,照射後の皮膚変化の客観的評価を試みた.
【方法】乳房温存術後照射後の116例を対象にメラニン・紅斑計(Mexameter MX18)を使用し,乳房皮膚の紅斑指数とメラニン指数を測定した.健側と患側のそれぞれの測定値の比をとり,照射後年数との関係を検討した.
【結果】被照射皮膚の紅斑指数比は照射終了直後の症例で高値を呈したが,1 年以上経過した症例では低値を呈した.メラニン指数比は,1 年経過した症例では高値を呈する症例の比率が増加した.電子線照射部位では照射後期間を経た症例において,紅斑指数比に有意な低下が認めなかった.
【結語】被照射皮膚の放射線照射の影響を客観的に評価することが可能であった.