The Journal of JASTRO
Online ISSN : 1881-9885
Print ISSN : 1040-9564
ISSN-L : 1881-9885
THE IMPACT OF BIOLOGICALLY EFFECTIVE DOSE CORRECTED FOR OVERALL TREATMENT TIME UPON TUMOR CONTROL OF STAGE I AND II LARYNGEAL CANCERS
真里谷 靖渡辺 定雄甲藤 敬一阿部 由直青木 昌彦安倍 明松倉 弘明場崎 潔阿保 満
著者情報
ジャーナル フリー

1998 年 10 巻 3 号 p. 215-222

詳細
抄録
I, II期喉頭癌54症例を対象に, 加速過分割照射の有用性, および治療期間を加味した生物学的等効果線量 (cBED) が局所制御に関して持つ臨床的意義について検討を加えた. 放射線治療にはコバルト照射装置を用いた. 加速過分割照射によって治療された14例は, 通常分割照射により治療された40例に比較して, 有意に良好な局所制御を示した. 一方, 加速過分割照射例はいずれも高cBED群に含まれ, 高cBED群は低cBED群に比べて有意に良好な局所制御を示した. 比例ハザードモデルによる多変量解析では, cBEDは局所制御について有意な変数であったが, 臨床病期 (I/II期), 部位 (声門/声門上), 総標的線量, 化学療法の有無は, いずれも有意ではなかった. 加速過分割照射は, I, II期喉頭癌の放射線治療において, 成績向上につながる可能性を有すると思われた. また, cBEDを用いることで, 時間的線量配分の異なる照射法における生物学的効果の差異をある程度量的に把握し得ると考えられた.
著者関連情報
© 1994 The Japanese Society for Therapeutic Radiology and Oncology
前の記事 次の記事
feedback
Top