2004 年 16 巻 4 号 p. 225-229
【背景】ローテーション研修義務化など放射線治療に携わる人材確保をめぐる状況は激変しでおり, その対応は急務といえる, 資本放射線腫瘍学会 (JASTRO) は1995年より医学部6隼生を対象として「医学生のための放射線治療セミナー」を開催している. 参加者の殆どは最終学年であるため, その卒後進路選択に及ぼすセミナーの影響力も相応にあると予想されるが, 卒後進路の実際がどうであったかについての報告は少ない.
【目的】JASTRO第3回「医学生のための放射線治療セミナー」参加者の実際の卒後進路を検討した.
【対象および方法】1997年8月に群馬県にて行われた綱セミナー参加学生 (当時) 全33名 (男性19名・女性14名) を対象として, 卒業直後及び現在 (2004年2月) における進路につき, 直接的な聞き取りを中心に学会名簿やインターネット上での検索を併せ調査した.
【結果】卒業直後の放射線科選択者は16名 (49%), うち1名はその後腫瘍内科に灘路変更し盤. ローテーション研修選択者は5名 (22%), うち3名はその後放射線科を選択し, いずれも放射線治療を專攻している. 現在は放射線科選択者18名 (55%) であり, 参加者全体の36%に相当する12名が放射線治療を専攻している.
【結論】JASTRO第3回「医学盤のための放射線治療セミナー」参加者における放射線科選択率は55%, 放射線治療専攻率は36%であった. 同セミナーが有する種々の要素が実際の参加者の進路選択にどのような効果を及ぼしたかについて, 他の回も含めたさらなる検討が必要である.