抄録
【目的】遠隔地の関連病院に設置された治療計画装置を基幹施設から操作するリアルタイム遠隔治療計画・支援システムを構築し, その有用性を検討する.
【方法】remotedesktopを寅現するソフトウェアとしてfreewareとして配布されているWin VNC version3.3.5を使用し, 治療計画ソフトウェアが作動している遠隔地の関連病院のPCと支援を行う基幹施設のPCの双方にインストールした, 支援を行う施設に治療計画ソフトウェアは不要で, 治療装置のビームデータや患者データの転送の必要も無い. 本法では, 被支援施設の遠隔地の治療計画装置を基幹施設から操作するだけなので, ネットワーク園線に流れるデータはコンピュータの画面情報のみである. ネットワークはNTT西日本のADSL回線を使用し, 仮想専用線 (VPN) 接続を行ってセキュリティーを確保した.
【結果】治療計画作製に必要な時間は平均で16±4.7分, 最大で30分以内であり, 速度的にも12MbpsのADSLで十分な操作環境が得られた. 双方で同時に画面が参照・操作可能なので教育目的にも利用可能である.
【結語】remoledesktopを利用したリアルタイム遠隔放射線治療計画支援システムは低コストで構築可能かつ実用的なシステムであり, 教育的な効果も得られる可能性がある.