抄録
この研究では、創造的中小企業創出支援事業の役割と課題について分析する。この事業のねらいは、1995年の「中小企業の創造的事業活動の促進に関する臨時措置法」の理念にもとづき、民間の特定ベンチャーキャピタルのベンチャー企業に対する投資をアーリーステージ段階で活性化させることにあるが、現状ではその機能を十分に果たしているとはいいがたい。しかし、ベンチャー財団と特定ベンチャーキャピタルへの郵送質問票調査とインタビュー調査の結果、投資実績のあるベンチャー財団には、最初から株式公開(IPO)を視野に入れて投資先企業を選択し、比較的多額の投資を行うタイプと、投資先企業のIPOの可能性を必ずしも視野にいれず、比較的多くの企業に投資するタイプの少なくとも2つのタイプがあり、IPOを視野に入れる場合、地域レベルで間接VC制度を補完できる自発的なネットワーク組織を加えたスキームの構築を必要とするという示唆が得られた。