日本ベンチャー学会誌
Online ISSN : 2433-8338
Print ISSN : 1883-4949
事例研究
大学・研究所発ベンチャー創出のドイツモデル
アメリカを凌ぐ大学からの起業
近藤 正幸
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2001 年 2 巻 p. 57-70

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抄録
ハイテクをリードする大学からの起業数は最近ではドイツがアメリカの2.5倍もある。研究所からの起業も盛んになってきている。このように活況を呈している起業には東西ドイツ統合で財政や経済が問題を抱える中で政策によりドイツモデルと呼べるベンチャー創出モデルを構築していったことも大きく寄与している。本論文では、このようなドイツモデルの構造を明らかにした上で個々の要素の役割を分析している。個々の要素とは、若手研究者に起業をある意味で駆り立てるメカニズム、大学と地域の起業文化を創出した政府のEXISTプログラム、起業を支援する大学・研究所の起業支援企業、テクノロジー・起業家・センター、大胆な公的マッチング投資制度、産学連携制度などである。最後に、これらの分析を踏まえて、ベンチャーでは後発のドイツモデルが日本における大学・研究所発のハイテク・ベンチャー創出を考える上で示唆するものをまとめている。
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© 2001 日本ベンチャー学会
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