抄録
新規学卒者の高い早期離職率が問題であるが、従来の離職予測モデルでは在学中に適用できない。本稿の目的は将来の離職者を在学中に予測する手法を開発することである。調査研究資料No.120 で実施したヒューマンスキル・コンセプチュアルスキルの能力別質問シートの試行検証結果に加え、卒業後の就業状況、指導員による総合評価と全科目の成績などを追跡調査した。これをもとに品質工学が提唱するパターン認識のためのMTシステムを用い、離職者の予測を行った。就職担当を含む複数の指導員による検証により、本手法の予測結果は概ね相対的な順位の妥当性が高いという結果を得た。在学中の離職者予測の可能性を示し、より効果的な指導に役立つであろう。