2015 年 31 巻 1 号 p. 15-21
本研究は、「誰がなぜ、どのように職業訓練指導員になっていくのか」を体系づける職業的社会化研究の確立にむけ、指導員職へと参入する受講生の施設OJT過程を質問紙調査によって描くものである。職業的社会化研究は、職業へと参入する以前の予期的社会化研究と職業へと参入した後の成長過程を読み解く再社会化研究とを通じ、新人層がベテラン層へと成長するライフコースの体系的理解を目指すものである。そのために、本稿ではまず指導員職への新規参入者に焦点を絞り、配属先施設でのOJT経験とそのプロセスが各受講生にもたらした教育的作用を中心に、予期的社会化研究として実施した調査結果の一部を報告する。