衛星搭載用反射鏡アンテナの鏡面として、メッシュ面が利用されている。メッシュ面は金属の線を布状に編み合わせたものであり、編み線間の接触状態が、アンテナ反射鏡の反射特性や交さ偏波特性に影響を与える。本研究では、メッシュ面の編み線間の接触状態が電気的特性に与える影響を実験的に示す。編み線間の接触状態は、高周波ワニスを用いて変化させる。 実験の結果、不完全接触状態のメッシュ反射面では、接触状態の場合と異なり、透過損失にメッシュ面の編み方による方向性が現れることを明らかにした。さらに、不完全接触状態のメッシュ面では、交さ偏波レベルが増加し、偏波主軸が回転することを示した。これらの特性は、メッシュ面の編み方や編み線の流れる方向に依存することを明らかにした。これらの結果について理論的検討を行い、実験結果の説明付けを行った。