職業能力開発研究誌
Online ISSN : 2424-1539
Print ISSN : 2188-7381
研究論文
ジャイロスコープを用いた力覚生成装置による振動覚情報の 提示方法
池田 知純垣本 映新家 寿健鈴木 重信中村 友基
著者情報
ジャーナル フリー

2015 年 31 巻 1 号 p. 74-78

詳細
抄録

視覚障がい者や打検士は,物体から発生する音が与えられなくても,棒に伝わる振動のみで物体を判別することができる.本論文の目的は,人は棒に伝わる振動のみの情報で材質を判別することが可能であるかを知覚実験によって明らかにすること,ジャイロスコープを用いた力覚生成装置が創り出す仮想的な振動が,利用者に対してどのような情報を与えることができるかを検討することである.振動覚による材質判別実験では,被験者に5種類の材質を提示し,振動のみで材質判別を行わせた結果,高い正答率で材質判別が可能であることを示す.提示物体を叩いたときに生ずる棒の振動を力覚生成装置によって再現する方法を示す.力覚生成装置を用いて行った仮想的な振動に対する評価実験を行い,事前の学習は必要となるが高い正答率で仮想振動が判別可能であることを示す.

著者関連情報
前の記事 次の記事
feedback
Top