動脈硬化
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正常血漿脂質家兎のリポ蛋白質代謝に及ぼす Elastase の影響
山崎 晴一郎南部 征喜合田 洋男
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1974 年 2 巻 3 号 p. 197-202

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抄録
動脈硬化の成因に高脂血症をはじめとする諸因子とともに動脈壁の代謝異常が大きな役割をしているといわれるが, 私共は壁代謝に関与する elastin, あるいは mucosaccharide の分解に携わる膵液中に存在する酵素の elastase が, 脂質代謝にも関与し, 動脈硬化の成因に関与する少なくとも動脈壁と脂質代謝の2つの因子の改善が期待しうることを報告した.
一方, 血漿脂質の動脈硬化成因としての役割は単に脂質の影響のみならず, その運搬体であるリポ蛋白質の蛋白質のもつ異なった影響を加味せずには論じられないと私共は考えている. そこで今回 double isotope method を用いて elastase の正常血漿脂質家兎の血漿リポ蛋白に与える影響をみた.
Elastase (Eisai, Co., Ltd) 1,050 Elastase Unit を7間経口投与した. elastase 投与10日前に静注された 15μCi of 3H-1, 2-cholesterol と elastase 投与7日後の採血6時間前に静注された 70μCi of 14C-2-glycine の超遠心分離によって得られた very low density (VLDL) および low density lipoprotein (LDL) 中の動態を検討した.
Elastase の影響をリポ蛋白中の脂質と蛋白との割合からみるとVLDL中の triglyceride/protein 比は, 有意に高値を示す (P<0.05) とともにLDL中の cholesterol/protein 比も高値を示す. 一方3H-cholesterol の speci activity はVLDLで低値を示しLDLでは差がない. 同様に 14C-glycine の各リポ蛋白蛋白への取り込みは VLDL-protein に低く, LDL-protein に差がない結果を得た.
すなわちVLDLにおいて蛋白に対する triglyceride の増加にかかわらず radioisotope でみる代謝回転は速いと言え, VLDLのLDLへの移行過程が elastase によって充進することが推測される. これはLDL中の cholesterol/triglyceride 比の増加からも, VLDLからLDLへの移行過程の最初の段階である VLDL-triglyceride の分解亢進をみることができ, また 14C-protein の VLDL/LDL 比の低下からも同様にこの過程の亢進をみることができる.
私共は, 高脂血症の成因の1つとして血中でのリポ蛋白代謝異常特にリポ蛋白の諸酸素との関連による異常を重視しているが, elastase の正常血漿脂質においてこのような作用を有することは, 高脂血症の改善とともに高脂血症の発生にも予防的に期待できる.
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© 一般社団法人 日本動脈硬化学会

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