動脈硬化
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リポ蛋白代謝に関する研究
リポ蛋白の脂質部分, 蛋白部分へのコレステロールおよびグルタミン酸の取り込みについて
木下 毅
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1975 年 3 巻 2 号 p. 207-216

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抄録
高脂血症が動脈硬化の進展に重要な役割を果たすことが明らかにされている. この血中脂質はリポ蛋白の形で存在しており, 年齢とともに増加するが, より高齢になるとかえって減少してくる. 高脂血症や加齢による血中脂質の変動などに検討を加えるため, 家兎を若年群, 若年コレステロール負荷群, 老齢群の3群に分けグルタミン酸C14, コレステロールH3を用いて血清リポ蛋白のアポ蛋白部分, 脂質部分をそれぞれ標識して, 各リポ蛋白への放射能の取り込みおよびその経時変化を観察した. 与えられた放射性コレステロールの約90%がリポ蛋白中へ, グルタミン酸C14では同じく約45%がリポ求蛋白中へ取り込まれている.
LDLではコレステロールH3の取り込みは, 注入後1時間でみると, コレステロール負荷群で著しく高く約50万DPM/血清1mlである. 次いで若年群で約5万DPM, 老齢群で3万DPMで経時変化は, 若年群,「コ」負荷群ではほぼ一定であるが老齢群では低下がみられる. グルタミン酸C14では, リポ蛋白への取り込みには各群であまり差はみられないが経時変化は若年群, 老齢群では低下傾向を示し「コ」負荷群では6時間目以後でもかなりの取り込みが継続している. VLDLではコレステロールH3についてはLDLとほぼ同様の傾向を示している. グルタミン酸C14でもほぼ同様の傾向であるが, その取り込み量はLDLに比べて高い値を示している. HDLではコレステロールH3の取り込みは3群でほほ一定であるが「コ」負荷群が一番低い. グルタミン酸C14では「コ」負荷群での低下が早くなっている. LDL, HDLの代謝回転はほほ伺様であるがVLDLの代謝回転はかなり早い. また蛋白部分の代謝に大きな差がみられないことから生体にとって重要な蛋白代謝は基本的にはほぼ一定に保たれることを意味していると思われる. 高脂血症状態では, 本来のコレステロール担体であるLDLだけでなく, VLDLもコレステロール代謝に関与していると思われる. またリポ蛋白当たりの specific activity でみると, 高脂血症状態でのリポ蛋白代謝は亢進しているとは考え難く, むしろ遅延していると思われる. 老齢群では取り込みの増加は多く他群に比べて放出は急速である.
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© 一般社団法人 日本動脈硬化学会

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