支援工学理学療法学会誌
Online ISSN : 2436-6951
症例報告
脳卒中片麻痺者2例に対する短下肢装具の装着改善に向けた工夫と実践
吉川 大志金子 里可
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2022 年 3 巻 1 号 p. 55-61

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抄録

【目的】脳卒中片麻痺者2例に対する短下肢装具(ankle-foot orthosis:以下、AFO)装着の改善を目的とした工夫について報告する。

【方法】症例1(右片麻痺者)は本人用AFO作製時にクイックリングを採用し、面ファスナーシールを足部外側に貼付したことで、リングにベルトを通しやすく、足部の下にベルトが挟まれないようにした。症例2(左片麻痺者)はAFOを床に立てて装着する方法で練習を行い、AFOベルトへの装着番号シールの貼付や手順書を提示し装着手順を視認できるようにした。

【結果】症例1は本人用AFO作製後に装着時間が短縮し、AFOの履き易さや愛着が改善した。症例2はAFO自己装着動作を含めた短距離歩行が自立した。

【結論】脳卒中片麻痺者に対するAFO装着に対して工夫を行った結果、自己装着の自立度や装着時間、履き易さが改善された。

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© 2022 日本支援工学理学療法学会
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