【目的】臨床実習を通じ、理学療法学生の装具に関する知識や能力の自己評価がどのように変化したのかを明らかにし、卒前教育における装具学の学内および臨床の領域検討の一助とすることを目的とした。
【対象と方法】対象は、臨床実習を終了した3年制専門学校理学療法学科の学生20名とした。集合調査にて、理学療法学生に必要とされる装具の知識・能力に関する20項目について、どの程度持っているかを質問紙によりリッカート尺度にて調査した。
【結果】理学療法学生が臨床実習を通して向上した項目は、「装具が必要かどうかを判断する能力」、「装具の活用に関して他職種に説明する能力」であり、その他の多くの項目は減少する傾向を示した。
【結論】「装具が必要かどうかを判断する能力」、「装具の活用に関して他職種に説明する能力」は、臨床教育を通して向上させることが適している可能性があることが確認された。また、装具に関する知識や能力が向上しない内容が多々あることが確認され、臨床実習では装具の経験が不十分である可能性がある。養成校は、臨床実習を通して経験が少ない内容に関しては、学内教育の実技や演習などで積極的に取り入れる必要性が高いことが示唆された。
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