2025 年 5 巻 1 号 p. 28-36
【目的】本研究は、電動車椅子導入の経験を持つ理学療法士・作業療法士(以下、PT・OT)の思考過程を質的に分析し、その実態を明らかにすることを目的とする。
【方法】電動車椅子導入経験のあるPT・OT 6名にインタビューを実施し、KJ法を用いて分析した。
【結果】PT・OTは「十分な知識と経験」に基づき、安全性確保や長時間使用の影響評価の重要性を認識していた。また、利用者の願いや意思を実現する「共有された方針」が重要であることが示された。さらに、使用場面での安全確認、二次障害予防、快適性評価には時間を要し、慎重な導入が必要であると考えられた。電動車椅子は利用者の生活の質向上に寄与する可能性があるが、利用者の意思を理解し尊重することが重要であるとされた。
【結語】電動車椅子導入には知識や経験に加え、実場面での評価や利用者の願いの共有が重要であることを示した。これらの知見は、経験の浅いPT・OTが導入支援を行う際の実践的な指針となり、今後の教育や支援体制の充実にも寄与する可能性がある。