日本テレワーク学会研究発表大会予稿集
Online ISSN : 2433-1953
新規ベンダーによるオフショア開発のコスト分析(論文部門,「活力」~震災復興そして発展に向けて~)
林 海比嘉 邦彦
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2012 年 14 巻 p. 12-17

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抄録
オフショア開発は世界的に普及してきて、多くの日本企業はオフショア開発を行っているか、もしくは今後行う予定である。特に今回の東日本大震災で大きなダメージを受けて、今も原発事故や電力不足などで回復の足がなかなか重い。リスク分散の観点から見ると、オフショア開発は今後日本企業にとって、ますます有力な選択肢の一つになる。調査報告によると、日本企業のオフショア開発の目的は9割以上が開発コスト削減である。しかし、実際のオフショア開発は思ったように成功せず、コスト削減の効果が全般的に当初期待したレベルに達していない。本研究はウィリアムソンの取引コスト理論をベースに、このコスト削減効果の説明を試みる。日本企業のオフショア開発では、生産コスト以外に多くの取引コストが発生している。まず、オフショア開発を分析して、6つの取引コストを提案して定義した。次に、アルパイン社のプロジェクトを研究事例として提案された各取引コストを検証・測定した。最後は、結果を基にオフショア開発のコストに対して分析と考察を行った。本研究で得られた知見は今後の日本企業のオフショア開発の意思決定や開発見積もりに役立てると考えられる。
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© 2012 日本テレワーク学会
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