2024 年 15 巻 1 号 p. 17-21
ネコの腎疾患は臨床現場において増加傾向にある。臨床現場において慢性腎臓病の病期分類は、国際腎臓病研究グループ(IRIS)の基準に従って血漿クレアチニンと対称性ジメチルアルギニン(SDMA)を基に分類しているのが現状である。血漿クレアチニンは性差、年齢、筋肉量など腎臓以外の因子が検査データに影響を与え、SDMAは糸球体濾過量が約40%以上失われてから数値が上昇することが知られている。今回我々は血漿糖蛋白質に注目し、慢性腎臓病の早期診断マーカーの探索を行いフコシル化Apolipoprotein A-IVを見出した。