日本風工学会年次研究発表会・梗概集
平成15年度日本風工学会年次研究発表会
会議情報
つくば地域の2地点における上空風の鉛直分布性状の比較
*喜々津 仁密奥田 泰雄小林 隆久山内 洋田村 哲郎
著者情報
会議録・要旨集 フリー

p. 3

詳細
抄録

 地形の起伏の少ない開けた平坦地としてつくば地域を対象とした上空の風観測を行った。南北方向に約10km離れた異なる二地点(独立行政法人建築研究所及び気象研究所)において、ドップラーソーダと風車型微風向風速計をそれぞれ用いて観測しており、2003年3月3日から21日までの観測結果について考察した。 二地点の平均風速及び風向に関して、それぞれ一定の相関があることが確認された。平均風速の鉛直分布に関しては、気象研究所での鉛直分布のべき指数の平均値のほうが建築研究所でのそれよりも大きく、かつ、西風による場合より北風による場合の方が大きくなった。これは、気象研究所北方に位置する市街地による地表面粗度が寄与していると考えられる。また、10分毎の鉛直分布のべき指数から求めた二地点間の相互相関係数を求めたところ、時間遅れ10から20分で係数が最大となっており、数十分程度の時間スケールの移流を考慮した鉛直分布評価の有意性が確認された。

著者関連情報
© 2003 日本風工学会
前の記事 次の記事
feedback
Top