抄録
東京都の青ヶ島で設置が検討されている新ヘリポート候補地は,三方を断崖に囲まれており,強風時に風の乱れが生じる懸念がある。このため,東邦航空(株)がとりまとめとなって行われた設置可否調査の一環として(財)日本気象協会により風況の数値シミュレーション解析が実施されると共に,独立行政法人 航空宇宙技術研究所の実験用ヘリコプタMuPAL-Epsilon(三菱式MH2000A)を用いた同島周辺の風計測飛行実験が行われ,候補地上空に発生する局所的な風の乱れが計測された。数値解析で全体の風況を把握して風の乱れが発生しやすい条件を特定し,その条件下における瞬間的な気象場を航空機を用いて確認するという今回の手法により,飛行安全に対する風の影響をより正確に評価することができた。