日本風工学会年次研究発表会・梗概集
平成17年度日本風工学会年次研究発表会
セッションID: s4-3
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実在都市へのキャノピーモデルの適用とLES拡散解析
*中山 浩成田村 哲郎奥田 泰雄
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抄録

近年の都市域での漏洩事故や生物化学兵器テロなどによる新たなタイプの大気拡散問題に対する安全性評価の重要性の認識の高まりに伴い、複数建物モデルで構成される都市を対象にした拡散風洞や野外実験が行われるようになってきた。しかしながら、その都市モデルの配列形態は、一様に建物モデルを配列したものであり、実際の都市形態は複雑であることを考えると、安全対策のためのデータ資料の提供とはならない。そのため、本研究ではこれまで個々の粗度要素を忠実に再現した実在都市を対象にLES数値解析により、各種粗度形態に応じた濃度分布パターンや瞬間高濃度の出現について調べた。しかしながら、その実行には、精緻に流れ場・拡散場の空間構造の把握や非定常特性の評価ができるものの、非常に大きい計算負荷・時間を伴うため、実用的とは言えないのが現状である。そこで、本研究では、都市の細かい粗度形状を抵抗物体として考えて数値解析上に表現するキャノピーモデルの導入を試みる。このモデルは、これまでRANSモデルにより市街地流れを対象に予測され、平均流に対しては良好な結果を示しており、近年ではLESを用いたものも報告されている。本研究においても、LESにより、実在都市にキャノピーモデルを適用して非定常数値解析を実行し、個々の粗度要素を忠実に再現した実在都市における拡散特性に基づき、上述のキャノピーモデルを適用した都市モデルにおいて得られる拡散特性とを比べ、その妥当性を検討し、評価することを目的とする。

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© 2005 日本風工学会
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