主催: 日本風工学会
送電線吊架装置は,強風下での電線路直角方向への高圧送電線の大きな揺動によるジャンパ線と腕金部との短絡事故対策として導入された.しかし,吊架装置はその重量のため,強風下においていったん振動を始めると腕金部や塔体個材への負荷を誘発すると考えられる.著者らは,塔体や電線の振動との相互作用などによる構成部材への振動伝播に着目した振動試験を実施した.本報告では,同一の振動試験で得られた腹材の応答加速度記録を分析して腹材に及ぼす吊架ジャンパ装置の揺動の影響を検討し,強風下における吊架ジャンパ装置の揺動予測のための基礎情報の整理を行った.