抄録
筆者らは、ビル風の確率的評価のための標準上空風データの整備に領域気象モデルWRFを用いる事を検討している。また、大気汚染のCFD解析に必要な夏季弱風時の典型的な風速や温度の鉛直プロファイルをWRFの計算結果から抽出しようとしている。WRFでは数多くの物理モデルが用意されているがモデルの違いによる結果の感度は十分に明らかになっていない。そこで、各物理モデルがWRFの計算結果に与える影響を調べるとともに観測結果との比較を行った。高度70mでは、大気境界層過程のみを変更した計算値と他のCASEに若干の差が見られるが、高度が上がるにつれCASE間ではほとんど差は見られなかった。なお、各物理モデルがWRFの計算結果に与える影響はほとんど見られなかった。