抄録
オオセッカの巣内雛の成長過程と発育段階を把握し,それに基づいた日齢推定の方法を確立することを目的に,2008年と2009年に青森県仏沼で発見した計14巣64雛について,孵化日から巣立ちまで,巣内雛の外見と羽毛の状況を記録した.また同時に,1~8日齢の間に跗蹠長,自然翼長,体重を計測し,3つの成長曲線モデル(ロジスティック曲線,ゴンペルツ曲線,ベルタランフィー曲線)を検討した.その結果,外見および羽毛の発育段階は各日齢に特異的であり,雛の日齢が推定できた.一方で,体サイズの計測値はばらつきが大きく,日齢推定には向いていなかった.跗蹠長,自然翼長,体重の成長モデルとしては,いずれもロジスティック曲線が最も当てはまりが良かった.