日本鳥類標識協会誌
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観察報告
キガシラシトドZonotrichia atricapillaの日本での標識初記録
原田 俊司
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ジャーナル 認証あり

2021 年 33.34 巻 p. 112-121

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抄録

キガシラシトドZonotrichia atricapillaは日本には迷鳥として稀に渡来する.2019年12月21日に神奈川県海老名市門沢橋の相模川河川敷で性不明で第一回冬羽の可能性が高いキガシラシトドを日本で初めて捕獲し標識した.この記録は神奈川県では2例目の記録であった.霞網で捕獲後,体の各部等を測定し,写真を撮影し,環境省の鳥類標識調査用の足環をつけ放鳥した.これまでの日本でのキガシラシトドの記録は北海道から鹿児島県まで21例あった.これら21例のうち,18例は目視観察や写真によるもので,5例は越冬期の長期に記録された.13例の春期の記録から,春の主な渡りの時期は4月中旬から5月中旬と示唆された.越冬期と推定された11例のうち7例の記録から,日本での越冬環境は,北アメリカの越冬地と同様に,河川敷あるいは河川・池沼・湿地沿いであり,ヨシ・オギ・ヤナギ類等のやや湿地性の植物が混生し密生する茂みの中やその近くの地上が主な生息あるいは採餌環境と推定された.

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