日本鳥類標識協会誌
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報告・資料
カワウのカラーリングの登録 第1報(1992年8月末現在)
福田 道雄
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1993 年 8 巻 1 号 p. 1-14

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抄録

 1975年3月から1992年8月までの間,カワウでカラーリングによって個体識別のためのマーキングを行った。リングを装着した場所と羽数は,東京都不忍池コロニーで1,032羽,東京都夢の島コロニーで4羽,静岡県新居コロニーで220羽,愛知県鵜の山コロニーで442羽,滋賀県竹生島コロニーで12羽,滋賀県伊崎コロニーで12羽,大分県沖黒島コロニーで18羽,あわせて7カ所のコロニーの1,740羽であった。装着出来た個体の約70%は巣内の雛であった。
 カラーリングはそれぞれのコロニーと出生年が確認しやすいように工夫した。装着したカラーリングはビニール管に銅線を通して環状にしたもの(VPB),記号を彫り込めるプラスティックの板を曲げたもの(PB),そして塩化ビニールの板を曲げたもの(VCB)の3種類で,いずれも自作した。VPBが最も耐久性があったが,装着に技術と労力を要した。PRは作製に労力を要するが,装着が容易で,非常に多数の個体別のリングを作ることが可能であった。VCRは遠方からの観察で最も識別しやすかったが,耐久性が最も低かった。

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© 1993 日本鳥類標識協会
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