日本鳥類標識協会誌
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論文
“鵜の山”で放鳥したカワウのカラーリング標識個体の観察状況
斉藤 成人
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1993 年 8 巻 1 号 p. 19-25

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抄録

 愛知県知多郡美浜町菅苅池畔のカワウのコロニーで標識調査を実施し,野外で個体識別できるようカラーリングを付して放鳥した。1986年から1993年までに計483羽を放鳥した。野外での観察でこれら菅苅池コロニー放鳥の標識カワウを発見し計247例の記録を得た。発見地は愛知県内17箇所,静岡県内13箇所であった。発見の最遠地は静岡県静岡市安倍川河口で放鳥地から140kmの距離であった。同一個体が何度も観察される例もあり,複数観察例一覧表を作成した。その内の幾例かを地図に表現してみた。これらの観察記録から次のような結果を見出した。(1)放鳥後最初の越冬期間中に分散するものと分散しないものと二つに分かれる。(2)一旦取り付いた場所に執着する傾向にあり,塒や餌場等を固定的に利用している。

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© 1993 日本鳥類標識協会
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