行動経済学
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論文
テクニカル分析に基づくペアトレードの有効性と日本の株式市場の効率性
佐藤 賀一
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2017 年 10 巻 p. 22-49

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抄録

2銘柄の株価の過去の価格変動を分析して利益を求める運用戦略にペアトレードという手法がある.本稿ではElliott et al. (2005) が示した確率的スプレッド方式のペアトレードを発展させ,「移動平均乖離率」というテクニカル指標を使用したペアトレードを提案する.具体的には,25日移動平均乖離率の差をAR(1)モデルに当てはめ,TOPIX Core30構成銘柄を対象に平均回帰スピードの速い株価の組み合わせを抽出してペアトレードを組む方法を用いる.実証分析の結果,上述のテクニカル分析に基づくペアトレードは分析対象期間である2002年1月から2016年6月まで,Gatev et al. (2006) が示した方法によるペアトレードや配当込TOPIX Core30指数を上回る優れた収益率を示すことができた.この結果は取引コスト等も考慮した結果であるため,ウィーク・フォームの市場効率性に対する1つの反例と考えられる.

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