公的部門の労働者の不正は社会に大きな損失を与えうる.我々は公的部門における不正行動の傾向を検証するため,以下の実験を行った.まず,公務員志望者を処置群と統制群に分け,処置群には,「公務員志望者である」ということを意識させる先行刺激課題(プライミング課題)を課し,その後不正行為を測定する課題(20ラウンド)を行った.統制群には,公務員と関連のない課題を課した後に,処置群と同様の不正行為を測定する課題を行った.その結果,処置の不正行動に対する効果として,非単調な効果が確認できた.これは,処置が不正行動抑止効果を保有する一方で,損失回避行動促進効果も保有していたためと考えらえる.そのため,損失回避局面では公務員志望者の不正行動が促進されたと推察できる.