行動経済学
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第6回大会 会長講演
意志力の経済学―消費・貯蓄理論の新次元
池田 新介
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2012 年 5 巻 p. 277-287

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抄録
意志力と自制(セルフコントロール)の間の動学的な相互性を考慮し,新しい消費・貯蓄選択理論を提示する.誘惑財(ポテトチップ)と非誘惑財(トマト)の2財を想定し,実証事実や日常行動と整合的な結果が示される.たとえば,意志力は,時間選好率で測られる忍耐力の源となる.外生的な自制負担が増加すると,意志力は枯渇し誘惑財の消費は短長期で増加する.
意志力制約を認識しないナイーブな人の場合,長期的に意志力が枯渇し誘惑財消費が増える.その消費経路から観察される時間選好率は,誘惑財消費については所得・富に関して逓増的(宇沢型),非誘惑財については逓減的(フィッシャー型)になる.
自制にその後の意志力を高める効果がある場合,誘惑財消費は意志力が弱いときにかえって抑制される.自制行動が短期的に意志力を枯渇させ,長期的にそれを逆に増強させる場合,節制(誘惑財消費の減少)と無節制(増加)が循環する可能性がある.
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© 2012 行動経済学会
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