行動経済学
Online ISSN : 2185-3568
ISSN-L : 2185-3568
論文
国民年金保険料納付行動と年金額通知効果
四方 理人駒村 康平稲垣 誠一小林 哲郎
著者情報
ジャーナル フリー

2012 年 5 巻 p. 92-102

詳細
抄録
本研究は,Webアンケート調査により,国民年金の給付額に対する知識が保険料の納付行動へ与える影響についての分析,および,国民年金給付額の通知が,潜在的な年金保険料の支払い可能額にどのような影響を与えるかについての分析を行う.分析の結果,国民年金の満額の年金額を誤って理解している場合,未納確率が高くなることがわかった.そして,サンプルを2グループに分け,一方には満額の年金給付額を通知し,他方には通知しないという操作を行い,それぞれについて最高でいくらの保険料の支払いが可能かを調べる通知実験を行った.その分析結果から,1) もともと給付額を高く予想していた場合において年金額の通知により保険料支払い可能額が低くなるが,2) 通知そのものは,保険料支払い可能額を高める効果があることがわかった.
著者関連情報
© 2012 行動経済学会
前の記事 次の記事
feedback
Top